なぜ移住PR記事で人は移住しないのか

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「地方」と「都会」って結局どっちが暮らしやすいの?佐賀に10日間移住して比べてみた[PR] | SPOT

アピールしている内容にたいした独自性はなく、移住した人も元々の実家が近い人ばかり。佐賀のライバルは東京じゃ無くてその近郊だよ。ブログ書いた http://chihodoko.hatenablog.com/entry/2017/10/30/152335

2017/10/30 14:18
b.hatena.ne.jp

佐賀県広報広聴課のPR記事にコメントしましたが、移住PR記事はどこも似たり寄ったりです。特に移住した人へのインタビューで、移住者本人か配偶者の実家が移住地のすぐ近くであった、というパターンは見飽きました。

結局のところ、様々な選択肢が考えられる中で、PRしている地域にわざわざ移住するためには、何らかの理由が必要となります。その理由としてなり立つのが、実家、あるいは上記の記事でも例に出ている、会社からの募集、そして金銭や住居等の具体的な援助でしょう。

それらの要素なしに、移住者を集めるのは容易ではあり ません。簡単にそのことを説明したいと思います。

ライバルは東京そのものでは無く、その近郊

そもそも、別の地方に移住するとなると、テレビ局、方言、地元チェーンなど、細かいストレスを呼び起こす違いが発生します。そのため、他の条件に大差ないなら、同じ地方内で引越を行いたいと考える人の方が一般的です(もちろん、そういった違いを求めて他の地方に移る人もいます)

東京都青梅市を例に、記事内で挙げられている点を少し比べてみます。

家賃

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上記のように、青梅の家賃は佐賀と大差ありません

食べ物

とれたて地元野菜で舌鼓|とうきょうを食べよう

上記のように、地元野菜を使った安心グルメがあります

遊ぶところ

キャンプ場は色々ありそうですが、そんなに遊ぶところは無さそうです。 ただ、電車で八王子・立川まで30分、新宿まで1時間ほどで到着します。 八王子・立川までなら佐賀から博多と同程度の時間(運賃は300~400円程度)でつきますし、 多少時間はかかりますが都心のイベントにも参加できます。

自然

奥多摩の雄大な自然がすぐ近くにあります。

こういった具合に、わざわざ九州の佐賀まで行かなくても、同じ東京都内の青梅市でも似たような生活は出来るということです。同じ東京都内なので、最低賃金も佐賀より200円以上高い958円です。仕事のやり方も、満員電車による長距離通勤を我慢すれば都心の会社に勤務できますし、普段は自宅近郊で仕事をし、たまに都心のクライアントに会いに行く、といったことも可能かもしれません。

青梅はただの一例で、関東中ににたような市はたくさんあります。そして、佐賀と同じような豊かな自然に囲まれのんびりと〜といったことをアピールして移住者を集めようとしている市も、全国にたくさんあります。

はたして、縁もゆかりもない人々が、移住先として佐賀を選ぶでしょうか? 多くの人は、まず現在住んでいる場所の近郊で条件に合う場所を探すと考えられるため、非常に難しいのではないかと思われます。

そんな中でも、多少は縁もゆかりもない人たちを惹きつける方法もあるとは考えているので、機会があれば記事にしたいと思います。

まんがでわかる地方移住: セカンドライフ入門

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